Classici giapponesi con furigana
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はなばなしきしゅんかん
華々しき瞬間
久坂 葉子
Leggi 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) di 久坂 葉子 (くさかようこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.114 caratteri · 92 schermate
彼は、ふと妻に同情したのである。
薄暗い電燈の下で彼の妻、たか子は靴下のつくろいをしていた。突然の侵入者にいささかうろたえてお茶の用意をはじめた。
「御食事はまだでございましょう」
「あの、私結構ですのよ。ほしくないのですから、本当にこんな夜分御邪魔して」
「僕、食うよ」
仁科六郎は、いつもたか子が食事をせずに、彼の帰りをまっていることを知っていた。夫婦が食事をしている間、蓬莱和子は傍で御喋りをはじめた。
「本当にいい御夫婦ね、うらやましいわ。いい奥様で、あなた御幸せね」
食事が終った。仁科六郎は苦々しい思いをかくして、たか子にやさしく言葉をかける。たか子はそれを喜んだ。
――夫が私を愛してくれること他の女の人にみせるのは気持がいいわ――
そして、蓬莱和子の巧みな話術に、最初抱いた恥辱のようなものもすっかり消されていた。たか子は絶対に夫を信じている。夫に愛情を持っている。そのことは蓬莱和子のまっ先に理解出来たことである。
「ごめんなさい。ねえ、わたし、ちょっと、あなたをうたがったの、あなたをよ、わるかったわ。ゆるして頂戴。あの方いい方ね」
蓬莱和子が二階の部屋に案内された後、寐床をとりながら貞淑な妻は夫にささやいた。