Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おちばのとなり

落葉の隣り

山本 周五郎

Leggi 落葉の隣り (おちばのとなり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.877 caratteri · 57 schermate

Aozora Bunko

「あらいやだ」とおきぬが云った、「ちっとも減らないじゃないの、どうなすったの」

「この唄を知ってるのか」と繁次が訊いた。

「文句はよく知らないのよ、でも好きな唄だわ」とおきぬが云った、「はいお酌、――冷たいわね、お燗を直して来ましょうか」

「それより水を貰いてえな」

「おひやね、はい」おきぬは立っていった。

あとの文句はうたわないほうがいい、とおつぎが云った。あとの切れているほうが情が残るようだって、と繁次は思った。

おきぬが湯呑に水を持って来た。彼は一と息に飲みほそうとして噎せ、激しく咳きこんだ。

「勘定」と彼は呟きながら云った。

「いまのあとを聞かしてくれないの」

「この次だ」と彼は云った、「こんど来たときにな」

「きっとよ、きっといらしってね」

「きっと来るよ」と彼は頷いた。

勘定をして外へ出ると、街はひっそりとしていて、辻燈台のほかには一つの灯も見えず、かなり強い風が吹いていた。繁次は立停って、左右を見まわした。

「どっちへゆくんだ」まっ暗な街を眺めながら、彼は途方にくれたように呟いた、「――これからどっちへいったらいいんだ」