Classici giapponesi con furigana
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はざくらとまてき
葉桜と魔笛
Leggi 葉桜と魔笛 (はざくらとまてき) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6139 caratteri · 13 schermate
ちょうど、そのころでございますものね。海軍記念日は、ことしも、また、そろそろやってまいります。あの海岸の城下まちにも、大砲の音が、おどろおどろ聞えて来て、まちの人たちも、生きたそらが無かったのでございましょうが、私は、そんなこととは知らず、ただもう妹のことで一ぱいで、半気違いの有様だったので、何か不吉な地獄の太鼓のような気がして、ながいこと草原で、顔もあげずに泣きつづけて居りました。日が暮れかけて来たころ、私はやっと立ちあがって、死んだように、ぼんやりなってお寺へ帰ってまいりました。
「ねえさん。」と妹が呼んでおります。妹も、そのころは、痩せ衰えて、ちから無く、自分でも、うすうす、もうそんなに永くないことを知って来ている様子で、以前のように、あまり何かと私に無理難題いいつけて甘ったれるようなことが、なくなってしまって、私には、それがまた一そうつらいのでございます。
「ねえさん、この手紙、いつ来たの?」
私は、はっと、むねを突かれ、顔の血の気が無くなったのを自分ではっきり意識いたしました。
「いつ来たの?」妹は、無心のようでございます。私は、気を取り直して、