Classici giapponesi con furigana
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かつしかすなご
葛飾砂子
泉 鏡花
Leggi 葛飾砂子 (かつしかすなご) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.677 caratteri · 37 schermate
と思うと、湿ッけのする冷い風が、颯と入り、洋燈の炎尖が下伏になって、ちらりと蒼く消えようとする。
はっと袖で囲ってお縫は屋根裏を仰ぐと、引窓が開いていたので、煤で真黒な壁へ二条引いた白い縄を、ぐいと手繰ると、かたり。
引窓の閉まる拍子に、物音もせず、五分ばかりの丸い灯は、口金から根こそぎ殺いで取ったように火屋の外へふッとなくなる。
「厭だ、消しちまった。」
勝手口は見通しで、二十日に近い路地の月夜、どうしたろう、ここの戸は閉っておらず、右に三軒、左に二軒、両側の長屋はもう夜中で、明い屋根あり、暗い軒あり、影は溝板の処々、その家もここも寂寞して、ただ一つ朗かな蚯蚓の声が月でも聞くと思うのか、鳴いている。
この裏を行抜けの正面、霧の綾も遮らず目の届く処に角が立った青いものの散ったのは、一軒飛離れて海苔粗朶の垣を小さく結った小屋で剥く貝の殻で、その剥身屋のうしろに、薄霧のかかった中は、直ちに汽船の通う川である。
ものの景色はこれのみならず、間近な軒のこっちから棹を渡して、看護婦が着る真白な上衣が二枚、しまい忘れたのが夜干になって懸っていた。
「お化。」
「ああ、」