Classici giapponesi con furigana
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がもううじさと
蒲生氏郷
幸田 露伴
Leggi 蒲生氏郷 (がもううじさと) di 幸田 露伴 (こうだろはん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.772 caratteri · 128 schermate
で、殴った奴は蟻、自分は大きな白牡丹と納まりかえったのである。が、此時はまだ若盛り、二十六七、せいぜい二十八である。まだ泰平の世では無い、戦乱の世である。少しでも他に押込まれて男を棄てては生甲斐が無いのである。壱尺七八寸の大脇指は、珍重珍重。政宗は政宗だ、誰に遠慮がいろうか。元来政宗は又人に異った一ト気象が有った者で、茶の湯を学んでから、そこは如何に政宗でも時代の風には捲込まれて、千金もする茶碗を買った。ところが其を玩賞していた折から、ふと手を滑らせて其茶碗を落した。すると流石大々名でもハッと思うて胸ドッキリと心が動いた。そこで政宗は自ら慚じ自ら憤った。貴いとは云え多寡が土細工の茶碗だ、それに俺ほどの者が心を動かしたのは何事だ、エエ忌々しい、と其の茶碗を把って、ハッシ、庭前の石へ叩きつけて粉にして終ったということがある。千両の茶碗を叩きつけたところは些癇癪が強過ぎるか知らぬが、物に囚われる心を砕いたところは千両じゃ廉いくらいだ。千両の茶碗をも叩ッ壊した其政宗が壱尺七八寸の叩き壊し道具を腰にして居る、何を叩き壊すか知れたものでは無い。そして其の対坐に坐って居るのは、古い油筒を取上げて三百年も後まで其器の名を伝えた氏郷である。