Classici giapponesi con furigana
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そばのはなのころ
蕎麦の花の頃
李 孝石
Leggi 蕎麦の花の頃 (そばのはなのころ) di 李 孝石 (いひょそく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7494 caratteri · 16 schermate
――いたずらじゃねえ。雌を見て、ひとりで暴れ出したんだ。
洟っ垂の一人が、不服そうに遠くから呶鳴り返してきた。
――なにこきやがる、黙れ。
――ちがう、ちがうだよ。あばたの許哥め。金僉知の驢馬が行っちまうと、土を蹴ったり、泡をふいたり、気違いみてえに狂い出したんだ。おいら面白がって見ていただけだい。お腹の下をのぞいてみい。
小僧はませた口吻で、躍気になってわめきながら、きゃっきゃっ笑い崩れた。許生員は我知らず、忸怩と顔を赧らめた。あけすけな無遠慮な部分は、まだ踊り狂っている残忍な視線からかばい匿すように、許生員はその前に立ちはだからねばならなかった。
――おいぼれのくせに、いろ気違いだよ、あのけだものめ、
許生員は、はっとなったが、とうとう我慢がならず、みるみる眉をひきつらすと、鞭をふりあげ遮二無二小僧をおっかけた。
――追っかけてみるがええ。左利きが殴れるかい。
韋駄天に走り去る小僧っ子には、おいつきようもなかった。左利きは全く子供にも叶わない。許生員は破れかぶれに鞭を抛ってしまうより外なかった。酔も手伝ってからだが無性に火照り出した。
――ええ加減出発した方がましだよ。