Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うすこうばい

薄紅梅

泉 鏡花

Leggi 薄紅梅 (うすこうばい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.133 caratteri · 122 schermate

Aozora Bunko

一

麹町九段――中坂は、武蔵鐙、江戸砂子、惣鹿子等によれば、いや、そんな事はどうでもいい。このあたりこそ、明治時代文芸発程の名地である。かつて文壇の梁山泊と称えられた硯友社、その星座の各員が陣を構え、塞頭高らかに、我楽多文庫の旗を飜した、編輯所があって、心織筆耕の花を咲かせ、綾なす霞を靉靆かせた。

若手の作者よ、小説家よ!……天晴れ、と一つ煽いでやろうと、扇子を片手に、当時文界の老将軍――佐久良藩の碩儒で、むかし江戸のお留守居と聞けば、武辺、文道、両達の依田学海翁が、一夏土用の日盛の事……生平の揚羽蝶の漆紋に、袴着用、大刀がわりの杖を片手に、芝居の意休を一ゆがきして洒然と灰汁を抜いたような、白い髯を、爽に扱きながら、これ、はじめての見参。……

「頼む。」

があいにく玄関も何もない。扇を腰に、がたがたと格子を開けると、汚い二階家の、上も下も、がらんとして、ジイと、ただ、招魂社辺の蝉の声が遠く沁込む、明放しの三間ばかり。人影も見えないのは、演義三国誌常套手段の、城門に敵を詭く計略。そこは先生、武辺者だから、身構えしつつ、土間取附の急な階子段を屹と仰いで、大音に、