Classici giapponesi con furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Leggi 薄紅梅 (うすこうばい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.133 caratteri · 122 schermate
」
「すぐ開き扉一つの内に、祖母が居ますが、耳が遠い。」
「あれ、お祖母様にも失礼な、どうしたら可いでしょう。……それに、御近所の方、おかみさんたちが多勢、井戸端にも、格子外にも、勝手口にも、そうしてあの、花嫁、花嫁。……」
「今も居ます。現に居ます、ごめんなさい。談じます。談判します、打なぐります、花嫁だなんて失礼な。」
「あれ、あなた、そんな気ではありません。極りが悪くて、極りが悪くて、外へ出られないもんですから、お内へ入ってかくれました。それだし、ただ、人の口の端の串戯だけでも、嫁だなぞと、あなたのお耳へ入ったらどうしようと、私……私を見て、庭へ出ておしまいなさいますし、私、死にたくなりました。」
と、片袖で顔をかくすと、姿も、消入る風情である。
「それが、それがです、それにわけがあるんです。何しろ、あなたを見てからではありません、見ない前に飛出したんです、――今申訳をします。待って下さい。どうも、何しろ、周囲が煩い。」
軸物も、何もない、がらん堂の一つ道具に、机わきの柱にかけた、真田が短銃の両提。
鉄の煙管はいつも座右に、いまも持って、巻莨の空缶の粉煙草を捻りながら、余りの事に、まだ喫む隙を見出さなかった、その煙管を片手に急いで立って、机の前の肱掛窓の障子を開けると、植木屋の竹垣つづきで、細い処を、葎くぐり