Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うすこうばい

薄紅梅

泉 鏡花

Leggi 薄紅梅 (うすこうばい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.133 caratteri · 122 schermate

Aozora Bunko

「私どうしましょう。」

と、乳のあたりへ袖を緊めつつ、

「空から降って来やしないんでしょうか。」

「……空からでしょうよ、池からでしょうよ、天女からお授かりなすったのかも知れませんね、羨しいったらありませんわねえ。」

二十

「でも、私、小説が上手に出来ますように――笑わないで頂戴……そういって拝んだんですのに。」

「じょうだんじゃありません、かりにもそのくらいなものをお授かりになったんですのに。」

「半分切ってあげましょうか。」

「驚いた……誰方にさ。」

「三浜さんに。」

「まあ。」

「だって、二人でお詣りに来たんですもの。」

「まあ、慾のおあんなさらない、可愛い、それだから私に抱かれようって……ほんとに抱きますよ。」

「あれ、人が居ます、ほほほ。」

「ええ、そう。――もうあそこまで行きました。」

――斉しく見遣った。

富士颪というのであろう。西の空はわずかに晴間を見せた。が、池の端を内へ、柵に添って、まだ濛々と、雪烟する中を、スイと一人、スイと、もう一人。やや高いのと低いのと、海月が泳ぐような二人づれが、足はただようのに、向ううつむけに沈んで行く。……

脊の高い方は、それでも外套一着で、すっぽりと中折帽を被っている。