Classici giapponesi con furigana
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あいがめ
藍瓶
田中 貢太郎
Leggi 藍瓶 (あいがめ) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4676 caratteri · 10 schermate
「どうせ私は、そうですよ、ちゃぶ屋を渡り歩いた、したたかものですよ」
女は父親の顔に怒った眼を向けた。父親の青黒く腫れあがった左の眼が青くきろきろと光った。
「よけいなことを云うからだ、車屋の痴なんかの云ったことを、お浚いするからいけないのだ」
順作はよけいなことを云っていい気もちになっていた女を怒らした闖入者が憎くて憎くてたまらなかった。
「そ、そ、そりゃわるい、そりゃ俺がわるいが、俺は姐さんの悪口を云われたから、癪にさわって、それで云ってるところじゃ、だから車屋の親方が、家へ来て、飯も喫え、家におれと云ってくれたが、癪にさわったから往かなかったよ」
「それじゃ、どうして知った」
「車屋の壮佼に、荷車の壮佼を知った者があってね」
「そうか」
あんなに旨くやったのにまたしても知られたのかと思って順作は忌いましかった。そうした順作の考えのうちには、その前の途中で仲間に逢ったがために知られた引越のことも絡まっていた。
「まあ、良かった、早く知れて、俺がまごまごしてると、傍の者が、よけいなことを云いだすから、姐さんに気のどく……」
老爺の詞を叩き消すように順作が云った。