Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あしかり

蘆刈

谷崎 潤一郎

Leggi 蘆刈 (あしかり) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.413 caratteri · 78 schermate

Aozora Bunko

ようなしだいでそのとしだけのことではないのでござります、そのあくる年もそのあくる年も十五夜の晩にはきっとあの堤をあるかせられてあの池のほとりの邸の門前で立ちどまりますと琴や三味せんがきこえてまいります、すると父とわたくしとは塀を廻って生垣の方から庭をのぞくのでござります、座敷のありさまも毎年たいがい同じようでござりましていつもあの女あるじらしい人が芸人や腰元をあつめて月見の宴を催しながら興じているのでござりました、でござりますから最初のとしに見ましたこととその次々のとしに見ましたこととがややこしくなっておりますけれどもいつのとしでもだいたい只今お話したようなふうだったのでござります。なるほど、と、わたしはいつかその男のものがたる追憶の世界へひき入れられながらいうのであった、それでいったいその邸というのは何だったのです、毎年お父上がそこへ出かけて行かれたのには何か理由があったのでしょうね。その理由でござりますかとその男はやや躊躇してからいった、それをお話し申しましてもよろしゅうござりますけれども見ず知らずのあなたさまをこんなところにいつまでもお引きとめしておきまして御迷惑ではござりますまいか。