Classici giapponesi con furigana
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あしかり
蘆刈
谷崎 潤一郎
Leggi 蘆刈 (あしかり) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.413 caratteri · 78 schermate
そのおさらいの日にお遊さんは髪をおすべらかしにして裲襠を着て香をたいて「熊野」を弾きました。さようでござります、いまでも許しものを弾きますときには特にそういう儀式張ったことをする習慣があるのでござりましてずいぶんそのためには大袈裟な費用をかけるものなので金のあるお弟子には師匠がそれをやらせたがるのでござりますが、お遊さんもたいくつしのぎに琴のけいこをしておりまして師匠からすすめられたのでござりましょう。ところでお遊さんのこえのよいことは前にも申しましたようにわたくし自身も聞いたことがござりましてよく存じておりますのでその人柄を知ってそのこえをおもうと今更のように奥床しさをおぼえるのでござりますが父はそのときにはじめてお遊さんの琴唄をきいて非常にかんどうしたのでござります。そのうえおもいもかけず裲襠すがたのお遊さんを見たのでござりますからかねがねゆめにあこがれていたまぼろしが事実になったのでござりましてさだめし父は自分の眼をうたがったほどにおどろきもしよろこびもしたでござりましょう。なんでも叔母がその琴唄のすんだあとで楽屋へ会いにいきましたら