Classici giapponesi con furigana
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きょしくんへ
虚子君へ
Leggi 虚子君へ (きょしくんへ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3404 caratteri · 7 schermate
――話は要領を得ずにすんでしまったが、私にはやッぱり構造、譬えば波瀾、衝突から起る因果とか、この因果と、あの因果の関係とか云うものが第一番に眼につくんです。ところがそれがあんまり善くできていないじゃありませんか。あるものは私の理性を愚弄するために作ったと思われますね。太功記などは全くそうだ。あるものは平板のべつ、のっぺらぽうでしょう。楠なんとかいうのは、誰が見たってのっぺらぽうに違ない。あるものに至っては、私の人情を傷けようと思って故意に残酷に拵えさしたと思われるくらいです。きられ与三郎の――そう、もっともこれは純然たる筋じゃないが、まあ残酷なところがゆすりの原因になっているでしょう。
生涯の大勢は構わないその日その日を面白く暮して行けば好いという人があるように、芝居も大体の構造なんか眼中におく必要がない、局部局部を断片的に賞翫すればよいという説――二宮君のような説ですが、まあその説に同意してみたらどんなものでしょう。
それでも賞翫はできますが、それを賞翫するに、局部の内容を賞翫するのと、その内容を発現するために用うる役者の芸を賞翫するのと、ほとんど内容を離れた、内容の発現には比較的効能のない役者の芸を賞翫するのと三つあるようですね。