Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょこうのはる

虚構の春

太宰 治

Leggi 虚構の春 (きょこうのはる) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 54.586 caratteri · 108 schermate

Aozora Bunko

同人費は払います。余計な事を! 書きためて、懸賞当選を狙う手もあるのですが、あれには運が多い気がしてイヤです。それに、こんな汚ない字の原稿なんか読んではくれますまい。また薄志弱行のぼくは活字にならぬ作品がどんどん殖えて行くとどうしても我慢できず、最初のから破ってしまうので――嘘、嘘。なんでもいいんです。この手紙をここ迄読んで下さったなら、それだけでも、ありがたい。御手紙、下さい。そしたらまた、書き直します。この手紙は破って捨てて下さい。どうぞどうぞ許して下さい。これとそっくり同文の手紙、六通書いて六人の作家へ送った。なんといおうと、あなたは御自分の世界をもっている作家です。はっきり云うと、生意気で、ぼくは薄馬鹿ですね。あなたの世界をぼくは熱愛できないのです。あなたが利巧だとは思わない。然し、あなたは近代インテリゲンチャ、不安の相貌を具えている。余りでたらめは書きますまい。あなたは黄表紙の作者でもあれば、ユリイカの著者でもある。『殴られる彼奴』とはあなたにとって薄笑いにすぎない。あなたがあやつる人生切り紙細工は大南北のものの大芝居の如く血をしたたらせている。