Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

「君より糸公の方が丈夫だぜ。糸公どうだ、まだ歩けるか」

「まだ歩けるわ」

「まだ歩ける? そりゃえらい。じゃ御茶は廃しにするかね」

「でも欽吾さんが休みたいとおっしゃるじゃありませんか」

「ハハハハなかなか旨い事を云う。甲野さん、糸公が君のために休んでやるとさ」

「ありがたい」と甲野さんは薄笑をしたが、

「藤尾も休んでくれるだろうね」と同じ調子でつけ加える。

「御頼みなら」と簡明な答がある。

「どうせ女には敵わない」と甲野さんは断案を下した。

池の水に差し掛けて洋風に作り上げた仮普請の入口を跨ぐと、小い卓に椅子を添えてここ、かしこに併べた大広間に、三人四人ずつの群がおのおの口の用を弁じている。どこへ席をとろうかと、四五十人の一座をずっと見廻した宗近君は、並んで右に立っている甲野さんの袂をぐいと引いた。後の藤尾はすぐおやと思う。しかし仰山に何事かと聞くのは不見識である。甲野さんは別段相図を返した様子もなく

「あすこが空いている」とずんずん奥へ這入って行く。あとを跟けながら藤尾の眼は大きな部屋の隅から隅までを残りなく腹の中へ畳み込む。糸子はただ下を見て通る。

「おい気がついたか」