Classici giapponesi con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate
「私がそんな御婆さんになったら――今でも御婆さんでしたっけね。ホホホ――しかしそのくらいな年になったら、どうでしょう」
「あなたが――あなたに嫉妬なんて、そんなものは、今だって……」
「有りますよ」
女の声は静かなる春風をひやりと斬った。詩の国に遊んでいた男は、急に足を外して下界に落ちた。落ちて見ればただの人である。相手は寄りつけぬ高い崖の上から、こちらを見下している。自分をこんな所に蹴落したのは誰だと考える暇もない。
「清姫が蛇になったのは何歳でしょう」
「左様、やっぱり十代にしないと芝居になりませんね。おおかた十八九でしょう」
「安珍は」
「安珍は二十五ぐらいがよくはないでしょうか」
「小野さん」
「ええ」
「あなたは御何歳でしたかね」
「私ですか――私はと……」
「考えないと分らないんですか」
「いえ、なに――たしか甲野君と御同い年でした」
「そうそう兄と御同い年ですね。しかし兄の方がよっぽど老けて見えますよ」
「なに、そうでも有りません」
「本当よ」
「何か奢りましょうか」
「ええ、奢ってちょうだい。しかし、あなたのは顔が若いのじゃない。気が若いんですよ」
「そんなに見えますか」