Classici giapponesi con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate
「今日で」と考える。「一昨日、一昨々日の晩です」と云う。
「そんなら、もう一に通じている時分だが。――もっとも宗近の御叔父がああ云う人だから、ことに依ると謎が通じなかったかも知れないね」とさも歯痒そうである。
「それとも一さんの事だから、御叔父から聞いても平気でいるのかも知れないわね」
「そうさ。どっちがどっちとも云えないね。じゃ、こうしよう。ともかくも欽吾に話してしまおう。――こっちで黙っていちゃ、いつまで立っても際限がない」
「今、書斎にいるでしょう」
母は立ち上がった。椽側へ出た足を一歩後へ返して、小声に
「御前、一に逢うだろう」と屈ながら云う。
「逢うかも知れません」
「逢ったら少し匂わして置く方が好いよ。小野さんと大森へ行くとか云っていたじゃないか。明日だったかね」
「ええ、明日の約束です」
「何なら二人で遊んで歩くところでも見せてやると好い」
「ホホホホ」
母は書斎に向う。
からりとした椽を通り越して、奇麗な木理を一面に研ぎ出してある西洋間の戸を半分明けると、立て切った中は暗い。円鈕を前に押しながら、開く戸に身を任せて、音なき両足を寄木の床に落した時、釘舌のかちゃりと跳ね返る音がする。