Classici giapponesi con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate
「うん、よかろう」
宗近君はずんど切の洋袴を二本ぬっと立てた。仏見笑と二人静と蜆子和尚と活きた布袋の置物を残して廊下つづきを中二階へ上る。
とんとんと二段踏むと妹の御太鼓が奇麗に見える。三段目に水色の絹が、横に傾いて、ふっくらした片頬が入口の方に向いた。
「今日は勉強だね。珍らしい。何だい」といきなり机の横へ坐り込む。糸子ははたりと本を伏せた。伏せた上へ肉のついた丸い手を置く。
「何でもありませんよ」
「何でもない本を読むなんて、天下の逸民だね」
「どうせ、そうよ」
「手を放したって好いじゃないか。まるで散らしでも取ったようだ」
「散らしでも何でも好くってよ。御生だからあっちへ行ってちょうだい」
「大変邪魔にするね。糸公、父っさんが、そう云ってたぜ」
「何て」
「糸はちっと女大学でも読めば好いのに、近頃は恋愛小説ばかり読んでて、まことに困るって」
「あら嘘ばっかり。私がいつそんなものを読んで」
「兄さんは知らないよ。阿父さんがそう云うんだから」
「嘘よ、阿父様がそんな事をおっしゃるもんですか」
「そうかい。だって、人が来ると読み掛けた本を伏せて、枡落し見たように一生懸命におさえているところをもって見ると、阿父さんの云うところもまんざら嘘とは思えないじゃないか」