Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

それほど信仰しているとは思わなかった」

「知己でも知己でなくっても、本当のところを云うんです。正しい事を云うんです。叔母さんや藤尾さんがそうでないと云うんなら、叔母さんや藤尾さんの方が間違ってるんです。私は嘘を吐くのは大嫌です」

「感心だ。学問がなくっても誠から出た自信があるから感心だ。兄さん大賛成だ。それでね、糸公、改めて相談するが甲野が家を出ても出なくっても、財産をやってもやらなくっても、御前甲野のところへ嫁に行く気はあるかい」

「それは話がまるで違いますわ。今云ったのはただ正直なところを云っただけですもの。欽吾さんに御気の毒だから云ったんです」

「よろしい。なかなか訳が分っている。妹ながら見上げたもんだ。だから別問題として聞くんだよ。どうだね厭かい」

「厭だって……」とと言い懸けて糸子は急に俯向いた。しばらくは半襟の模様を見詰めているように見えた。やがて瞬く睫を絡んで一雫の涙がぽたりと膝の上に落ちた。

「糸公、どうしたんだ。今日は天候劇変で兄さんに面喰わしてばかりいるね」

答のない口元が結んだまましゃくんで、見るうちにまた二雫落ちた。宗近君は親譲の背広の隠袋から、くちゃくちゃの手巾をするりと出した。