Classici giapponesi con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate
失礼じゃないか。――この通り世間見ずのわがままもので、まことに困り切ります。――その御本は小野さんから拝借したのかい。大変奇麗な――汚さないようになさいよ。本なぞは大事にしないと――」
「大事にしていますわ」
「それじゃ、好いけれども、またこないだのように……」
「だって、ありゃ兄さんが悪いんですもの」
「甲野君がどうかしたんですか」と小野さんは始めて口らしい口を開いた。
「いえ、あなた、どうもわがまま者の寄り合いだもんでござんすから、始終、小供のように喧嘩ばかり致しまして――こないだも兄の本を……」と御母さんは藤尾の方を見て、言おうか、言うまいかと云う態度を取る。同情のある恐喝手段は長者の好んで年少に対して用いる遊戯である。
「甲野君の書物をどうなすったんです」と小野さんは恐る恐る聞きたがる。
「言いましょうか」と老人は半ば笑いながら、控えている。玩具の九寸五分を突き付けたような気合である。
「兄の本を庭へ抛げたんですよ」と藤尾は母を差し置いて、鋭どい返事を小野さんの眉間へ向けて抛げつけた。御母さんは苦笑いをする。小野さんは口を開く。
「これの兄も御存じの通り随分変人ですから」