Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

「何だって、そんな余計な事を云うんだ」と度盛を透して見る。先生の精神は半ば験温器にある。浅井君はこの間に元気を回復した。

「実は頼まれたんです」

「頼まれた? 誰に」

「小野に頼まれたんです」

「小野に頼まれた?」

先生は腋の下へ験温器を持って行く事を忘れた。茫然としている。

「ああ云う男だものだから、自分で先生の所へ来て断わり切れないんです。それで僕に頼んだです」

「ふうん。もっと精しく話すがいい」

「二三日中に是非こちらへ御返事をしなければならないからと云いますから、僕が代理にやって来たんです」

「だから、どう云う理由で断わるんだか、それを精しく話したら好いじゃないか」

襖の蔭で小夜子が洟をかんだ。つつましき音ではあるが、一重隔ててすぐ向にいる人のそれと受け取れる。鴨居に近く聞えたのは、襖越に立っているらしい。浅井君の耳にはどんな感じを与えたか知らぬ。

「理由はですな。博士にならなければならないから、どうも結婚なんぞしておられないと云うんです」

「じゃ博士の称号の方が、小夜より大事だと云うんだね」

「そう云う訳でもないでしょうが、博士になって置かんと将来非常な不利益ですからな」