Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

と甲野さんは日記をぱたりと伏せた。

「寝ながら拝聴する法はないよ。ちょっと椽まで出張を命ずるから出て来なさい」

「なに、ここで結構だ。構ってくれるな」と甲野さんは空気枕を傾けたまま起き上がる景色がない。

「おい、どうも東山が奇麗に見えるぜ」

「そうか」

「おや、鴨川を渉る奴がある。実に詩的だな。おい、川を渉る奴があるよ」

「渉ってもいいよ」

「君、布団着て寝たる姿やとか何とか云うが、どこに布団を着ている訳かな。ちょっとここまで来て教えてくれんかな」

「いやだよ」

「君、そうこうしているうちに加茂の水嵩が増して来たぜ。いやあ大変だ。橋が落ちそうだ。おい橋が落ちるよ」

「落ちても差し支えなしだ」

「落ちても差し支えなしだ? 晩に都踊が見られなくっても差し支えなしかな」

「なし、なし」と甲野さんは面倒臭くなったと見えて、寝返りを打って、例の金襖の筍を横に眺め始めた。

「そう落ちついていちゃ仕方がない。こっちで降参するよりほかに名案もなくなった」と宗近さんは、とうとう我を折って部屋の中へ這入って来る。

「おい、おい」

「何だ、うるさい男だね」

「あの琴を聴いたろう」

「聴いたと云ったじゃないか」