Classici giapponesi con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate
と甲野さんは、つかぬ事を聞く。
「寒くなった、狐の袖無でも着よう」と宗近君も、つかぬ事を云う。二人は離れ離れに口を発いている。
丹前の胸を開いて、違棚の上から、例の異様な胴衣を取り下ろして、体を斜めに腕を通した時、甲野さんは聞いた。
「その袖無は手製か」
「うん、皮は支那に行った友人から貰ったんだがね、表は糸公が着けてくれた」
「本物だ。旨いもんだ。御糸さんは藤尾なんぞと違って実用的に出来ているからいい」
「いいか、ふん。彼奴が嫁に行くと少々困るね」
「いい嫁の口はないかい」
「嫁の口か」と宗近君はちょっと甲野さんを見たが、気の乗らない調子で「無い事もないが……」とだらりと言葉の尾を垂れた。甲野さんは問題を転じた。
「御糸さんが嫁に行くと御叔父さんも困るね」
「困ったって仕方がない、どうせいつか困るんだもの。――それよりか君は女房を貰わないのかい」
「僕か――だって――食わす事が出来ないもの」
「だから御母さんの云う通りに君が家を襲いで……」
「そりゃ駄目だよ。母が何と云ったって、僕は厭なんだ」
「妙だね、どうも。君が判然しないもんだから、藤尾さんも嫁に行かれないんだろう」