Classici giapponesi con furigana
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たんぱくせき
蛋白石
宮本 百合子
Leggi 蛋白石 (たんぱくせき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.056 caratteri · 25 schermate
いろんな事を考えるもんでございますから。」
千世子はだまって小ぢんまりした束髪に結って年にあわせては、くすんだ衿をかけて居る女のいたいたしく啜り泣くのを見て居た。
「泣くのなんかお止めよ、
ね。
悪いこっちゃあないんだもの、
私だってよろこんで居るんだよ。」
千世子は何と云って好いかわからなくなってこんな事を云った。
何かが心の上におっかぶさって来る様な気がして出窓から青々して勢の好い立木を見て居た。
かなり長い間しゃくり上げて居たさきは、ようやっと前髪をかきあげながら、
「もうやめましてございます。
せめて新らしい女が馴れるまで置いていただきましょうし出来るだけ御馳走も差しあげて置きましょう。」
と云って無理無理に淋しそうに笑って自分の部屋に行った。
「又あすこで泣いてるんだろう。」
千世子はそんな事を思いながら、我ままの癖に自分の世話をよくするさきの様子を思い出した。
二十五、三度目、見知らない男
そんな事がいかにも痛ましい事の様に思えた。
又いじめられたら……
不安がってオドオドして居る様子を見ると死ぬまで自分のそばに置いた方があの女にとっては幸福かもしれないとなんか思えた。