Classici giapponesi con furigana
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しじみだに
蜆谷
山本 周五郎
Leggi 蜆谷 (しじみだに) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.957 caratteri · 28 schermate
六
かくて八日めに二度めの吟味が行なわれた。
六
くだくだしい順序は省こう、その日はお八重の訊問から始まった。彼女はまるで自分を投げだした者のように、なんでも思い切って、ずばずばものを云った。
「御詮議のかかっている人の母御のお世話するのは、御領主さまに申しわけがないとは存じましたけれど、考えてみればわたくしも同じ身の上でございますし、現にその日のことにも不自由しているのを見ましては、とても黙ってはいられなかったのでございます」
「しかしそのほうの家には田が八反余、弥之助方にも同じほどあったというではないか、それらの上がりがあれば、老母ひとりその日のたつきに困るはずはないだろう」
「それでも」お八重は面をあげて云った、「村からわたくしの家へ渡りました米は六俵、弥之助さんの家へは五俵きりでございました、それでは節期の払いもできませぬ、わたくし方でも弥之助さんの家でも、その米はそのまま渡したうえ、物を少しずつ売らなければ払いがすみませんでした」
「その五俵六俵という割はどうして出たのだ」こう云って又左衛門は庄屋のほうを見た。
「六平次、そのほうしっておるか、源兵衛どうだ」