Classici giapponesi con furigana
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くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
Leggi 蜘蛛の夢 (くものゆめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.189 caratteri · 298 schermate
それは伊丹弥次兵衛の意見で、彼がふたたび失態を演じた場合には、今度こそほんとうに腹でも切らなければならない事になるのであるから、いっそ怪我人を守護して帰城した方が無事であろうというのであったが、本人の甚七はどうしても肯かなかった。武士の面目、たとい命を捨ててもよいから是非とも後に残りたいと言い張るので、結局他の者をもって彼に代えることになった。
こうなると、甚七ばかりでなく、怪我人に附添ってむなしく帰城するよりも、あとに残って海馬探検に加わりたいという志願者が多いので、弥次兵衛も少しくその処置に苦しんだが、どうにかその役割も決定して、怪我人を戸板にのせて村の者四人にかつがせ、さらに四人の若侍がその前後を囲んで帰城することになった。あとには弥次兵衛と甚七をあわせて、七人の者が残されたわけである。
「馬妖記」にはその七人の姓名が列挙してある。それは伊丹弥次兵衛正恒、穂積権九郎宗重、熊谷小五八照賢、鞍手助左衛門正親、倉橋伝十郎直行、粕屋甚七常定、神原茂左衛門基治で、年齢はいちいち記されていないが、十九歳の茂左衛門基治、すなわちこの「馬妖記」の筆者が一番の年少者であったらしい。