Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Leggi 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.662 caratteri · 174 schermate

Aozora Bunko

のくらがりで、お母さんに見られないように握手をしてくれたもんだよ。」

「握手がそんなに重大な意味があったの。」

「握手がいまのキスみたいに、効果があった時勢だったんだ。」

「そお、それなら、少時でも、お通しすれば宜かったわね、あたい、おじさまを振った女だと思うと、無性にかっとしちゃって、おじさまに会わせてやるものかという、気が苛立って来ていたんですもの。」

「きみはすぐかっとするね。」

「燃える金魚というけれど、ほんとは温和しくみえても、すぐ、ほねの中までかっと燃えて来るんだもの、でも、あたいにね、あなたは奥さまでいらっしゃいますか、それともお嬢様なんですかとお聞きになったわ、あたい、つい赧くなっちゃったけれど、ここだと思って落着いて、秘書だと言ってやった。」

「うまく化けたね、さあ、飯を食おう。」

「あたいね、何時も塩気のないものは厭なのよ、もっとおいしい物がたべたいの。たとえば、髪の毛みたいな、みじん子みみずね、あれをそろそろと食べてみたいのよ、たまにおじさま、溝に行ってすくって来てちょうだいよ。」

「きたない話をしなさんな。溝にしゃがんでこの年になってさ、みじん子がすくえるものか、考えてもごらん。