Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Leggi 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.662 caratteri · 174 schermate

Aozora Bunko

女の人はそれを平気で受け取ったの。」

「貰ってもよい人から貰ったふうで、受け取っていたようだ、そしてわたくしどのように仰有ることをおつとめしたらいいのでしょうかと、真面目な顔附で言ったのだ、きみの言い分ではないけれど、叡智のない水みたいな眼で、僕をおだやかに見ていた。」

「で、おじさまは、何かお約束をなさいました。」

「僕はまた割りのよい仕事で金は取れることもあるんだから、その金で逃げられるだけ逃げなさい、いまのあなたには逃げるより外にみちはない、誰でも人間は逃げなければならなくなったら、姿を消すにかぎるといったら、わたくしもそれに限ると思いますと言った。で、ね、きみ、この女の人はきょう出掛けに僕の家の前をぶらぶらしていて、僕らが出かけたあとから、ずっと街まで蹤けて来ていたんだ。」

「おじさまは、底なしに女にあまいわね。」

「僕があまいんじゃなくて女の方があまいんだ、僕は断ることは知っているし、知らぬ他人に誰が金なぞやるものか、ところが人間の心にはずみが出来る瞬間には、実に綺麗に対手に応ずる気合があるもんなんだよ、つまり割りのよい仕事が廻って来て失ったものを、別の人間が返してくれる場合だってあるものだ、それの予測というものが経験の中に生きているとしたら、生涯のある日にはそんな事の一遍くらいしたっていいんだよ。