Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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われはうたえども やぶれかぶれ

蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ

室生 犀星

Leggi 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.726 caratteri · 90 schermate

Aozora Bunko

すべて私の生きて来た所以のものは何時も生真面目と実直のしんの方に、事がならなかったら、やけくそになってやれという打抛りの絶望であった。やけくそにもなれないのに常に其処まで行ってあぐらをかくという生き方の続きは、決して途中で切断されなかったのだ。

噎びながら少しずつでも煙草を吸い、もっと酷くむせんでから私はむねの痛みの去るのを待ってまたはじめるのだ。こんなしぐさは知識のある人間のすることではなく、また、どんなむちゃな人間でもそれを避けているものなのだ。だが、私はそれを繰り返しているうちに突然に咳がとまり、しんとしたむねと喉のあいだにあれほど苦しんで受けつけなかった一服の煙草が、ゆるゆる通ってゆくことをおぼえた。山のけむりは風もなく昇り、私はそれをあと何服かをのんで見て、咳というものもするだけしたあとで休むひまがあって、その遥かな道すじに行きつくと煙草はあまくとろけた網のように頭からすっぽりと被れるようになるものだということが判った。絶体絶命の瞬間を越えなければ其処まで行き尽せない、こんな困難はたびたびやってはならないことだ。私の反省は何時もその場限りでほろびたが、今夜の一服は次の一服につなぎ合しても、咳は猛烈に巻き返してはこなかった。