Classici giapponesi con furigana
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われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
Leggi 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.726 caratteri · 90 schermate
寝台から降りて手押車に乗ると何とかしてコバルト行きはやめたいと思ったが、コバルト放射は主療の方針であるらしく十七日の内、十日間は八分三十秒、あと一週間は十分三十秒になるかも知れないと主治医は言い、私はあきらめた。
毎日電話がかかってコバルトにお廻りくださいという声をきくと、寝台からむんずりして私は下りた。廊下には例の手押車が待っていてそれに乗り、運搬用のエレベーターの前に行くと一人の老人が立っていた。色は黒く眼球はぎょろりとして少しの余裕のない、迫られた脅迫を防いでいるような表情だ。口は一文字に結ばれ入歯を外しているらしく鼻の下が、ぐにゃぐにゃしていた。それに長身で寝まき姿なのだ。エレベーターが停るとその男はすぐ乗り込み、釦を押したらしく昇降機は音もなく下降していった。私が乗ることを知っていて自分だけで下降してゆくのだ。私は井荻看護婦と顔を見合せたが、どうやらこの男も放射線室に行くらしく確かに私は彼が放射線室から出て来たことを見かけたことがあった。地下で降りると冷たい石とコンクリの放射線室の前の待合椅子に、この男が順番を待っているすがたを見た。次の日にもエレベーターの前で、この男が私のくるまを見ると私より一足先に小走りになって、下降の釦を押しているのが見え、私は怒りを発した。