Classici giapponesi con furigana
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われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
Leggi 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.726 caratteri · 90 schermate
けれども看護婦は刈るにしてもその毛の位置について博士に聞き糺したが、博士はそこらの長いのから刈りたまえと言った。私は例によって自分の案による目隠しをして、その下で一たい刈るとか刈らんとか言うのは何を意味しているのか、あるいはこれは例の毛のことではないかと息をひそめてうかがった。毛を刈るのなら一応私の毛であるから私の承諾をとるのが本筋であるが、この場合それらの質問をすることが診行をさまたげるようで控えられ、どうせ生えていてもいなくとも、いい年をしているからには構わんわいという気がしたが、どの程度に刈られるかということが私には現識としての問題になった。病院附の看護婦はではお切りいたしますが、どの程度にお切りしますかという彼女の質問にたいして博士は、恐らく指先でここと、ここらあたりというふうの指図をしているらしく、沈黙が続いたあと私は鋏がさらさらと毛の上を走るのを知った時には、もう毛は刈られて了った後であった。私は目隠しの下からとうとう毛まで刈られたかと思い、たいがいの人間はかかる不祥事の場合にのぞむことは生涯にまたとあるまい、刈られた毛はあらためて貰い受け、これは懇篤に秘蔵するか土の中に埋めるかしたかったが、いくら私がバカモノでも、その毛はこちらに貰って置きますとは言い出されなかった。