Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ちぬられたかいとう

血ぬられた懐刀

国枝 史郎

Leggi 血ぬられた懐刀 (ちぬられたかいとう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 35.586 caratteri · 71 schermate

Aozora Bunko

と、鏘然たる太刀の音!

つづいて森の木洩陽を縫って、宙に閃めくものがあった。払い上げられた太刀である。

すなわちは北畠秋安が、一人の武士の太刀を払い、そうして直ぐにもう一人の太刀を、宙へ刎ね上げてしまったのである。

と、逃げ出す足音がした。

主人の小四郎を丸く包み、五人の武士が太刀を拾わず、森から外へ逃げ出したのである。

「待て!」と秋安は声をかけたが、苦笑いをすると突立った。

「追い詰めて殺すにも及ぶまい。祟りのほどがうるさいからなあ」

で、抜いた太刀を鞘へ納め、パチンと鍔音を小高く立てたが、改めて娘の様子を見た。

木洩陽を浴びて坐っている、廻国風の娘の顔の、何と美しく気高いことよ!

そうしてこれほどの闘いにも、大して恐れはしなかったと見えて、別に体を顫わせてもいない。

とは云え勿論顔の色は、蒼味を加えてはいるのである。

「ほう」

秋安が声を上げたのは、その美しさと気高さとに、心を驚かせたからである。

恋を失った秋安は、どうやら意外の出来事から、新しい恋を得るようである。

が、それはそれとして、この日が暮れて夜になった時、花園の森の一所へ、一人の女が現われた。