Classici giapponesi con furigana
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ちのもじ
血の文字
黒岩 涙香
Leggi 血の文字 (ちのもじ) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 44.021 caratteri · 87 schermate
帰りの遅きは用事の為とのみ思いたるに余と一緒なるを見て扨は遊びの為なりしかと疑い初めたる者と知らる、目科は隙も有らせず「なに珈琲館を出たのは六時頃だッたがバチグノールに人殺が有たので隣室の方と共に其方へ廻ッて夫故此通り」と言開く、細君は顔色にて偽りならぬを悟りし乎、調子を変て「おや爾」と呟けり、此短き「おや爾」には深き意味ある如く聞ゆ「おや/\、探偵を勤めて居ることを隣の方にまで知せたのですか」と云うに同じかる可し、目科は直ちに其意を汲み「隣の方と一緒でも構わぬよ、探偵を勤めるが何も恥では有るまいし」と言い掛るを細君が「なに爾では有りませんよ」と鎮んとすれど耳に入れず「成る程世間には探偵を忌嫌う間違ッた人も有うけれど一日でも此巴里に探偵が無かッて見るが好い悪人が跋扈して巴里中の人は落々眠る事も出来ぬからさ、私は探偵の職業を誰に聞せても恥と思わぬ」とて喋々言張んとす、細君は斯る瞋りに慣たりと見え一言も口をはさまず、目科も頓て我言葉の過たるを悟りし如くがらり打解て打笑い「いや其様な事は何うでも好い、夫より先ア、二人とも空腹に堪えぬから何なりと喫る