Classici giapponesi con furigana
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ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Leggi 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.970 caratteri · 176 schermate
と。……天国の剣を、汝が手に入れたも、この典膳が才覚したればこそじゃ。……その俺を嬲り殺し! おのれ五郎蔵オーッ」
ワングリと開けた暗い口から、焔の先のような舌を、ヒラヒラ出入りさせた。前歯が数本脱けている。引き抜かれたものらしい。爪を剥がされた足の指から、今も血がしたたってい、その指の周囲を、金蠅が飛び廻っている。
頼母はやにわに刀を揮うと、二人を釣っている縄を切った。
「お浦殿オーッ」と頼母は、地に落ちて来たお浦を宙で抱き止めると、ベタリと坐り、お浦の体を膝へ掻き上げた。「頼母、お助けつかまつるぞオーッ」
恩こそあれ怨みのないお浦であった。この身を恋してくれたこと、なるほど、五郎蔵からみれば、怒りに堪えない所業であったろうが、この身からすれば、尋常に恋されたまでである。憎むべき筋ではない。その恋ゆえに、天国の剣を持ち出してくれたという。感謝しなければならないではないか。その恋ゆえに、嬲り殺しにかけられたという。助けないでおられようか! 四辺を見れば、壁に戸板が立てかけられてあった。
「汝ら!」と頼母は、地べたに坐って顫えている二人の乾児を睨みつけ、「戸板を持て! ……お浦殿とそのお武家様とを舁き載せよ! ……そうして汝ら戸板を担げ」