Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Leggi 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.970 caratteri · 176 schermate
草に落ちている抜き身は、氷のように光っている。庭のそちこちに咲いている桜は、微風に散っている。
「躄者になりましても、道了様へは行かねばならぬと……そこは正気でない父、子供のように申して諾きませぬ。躄車などに乗せてやりましては、世間への見場悪く、……いっそ、道了様を屋敷内へお遷座ししたらと……庭師に云い付け、同じ形を作らせましたところ、虚妄の父、それを同じ道了様と思い、このように躄車に乗り、朝晩にその周囲を廻り……」
悲しそうに、また栞は、眠りこけている父親を見やるのであった。
身につまされて聞いていた頼母は、いつか、栞の前へ腰を下ろし、腕を組んだ。
急に栞は、怒りの声で云った。
「父を脅かす者は、松戸の五郎蔵なのでございます。父は妾に申しました。『五郎蔵が殺しに来る。彼奴には大勢の乾児があるが、俺には乾児など一人もない。味方が欲しい、旅のお侍様などが訪ねて参ったら、泊め置け』と。……」
(そうだったのか)と頼母は思った。(不思議に厚遇されると思ったが、さては、いつの間にか俺は、この屋敷の主人の、警護方にされていたのか)しかし事情が事情だったので、怒りも、笑いも出来なかった。