Classici giapponesi con furigana
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こうじん
行人
Leggi 行人 (こうじん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.801 caratteri · 452 schermate
岡田もそれを知って快よくこちらの要るだけすぐ用立ててくれたに違いなかろうと思った。
自分は岡田夫婦といっしょに停車場に行った。三人で汽車を待ち合わしている間に岡田は、「どうです。二郎さん喫驚したでしょう」といった。自分はこれと類似の言葉を、彼から何遍も聞いているので、何とも答えなかった。お兼さんは岡田に向って、「あなたこの間から独で御得意なのね。二郎さんだって聞き飽きていらっしゃるわ。そんな事」と云いながら自分を見て「ねえあなた」と詫まるようにつけ加えた。自分はお兼さんの愛嬌のうちに、どことなく黒人らしい媚を認めて、急に返事の調子を狂わせた。お兼さんは素知らぬ風をして岡田に話しかけた。――
「奥さまもだいぶ御目にかからないから、ずいぶんお変りになったでしょうね」
「この前会った時はやっぱり元の叔母さんさ」
岡田は自分の母の事を叔母さんと云い、お兼さんは奥様というのが、自分には変に聞こえた。
「始終傍にいると、変るんだか変らないんだか分りませんよ」と自分は答えて笑っているうちに汽車が着いた。岡田は彼ら三人のために特別に宿を取っておいたとかいって、直に俥を南へ走らした。