Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Leggi 街はふるさと (まちはふるさと) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 193.435 caratteri · 389 schermate

Aozora Bunko

「使わないマッチを、なぜ持って帰ったのでしょうね」

放二の思考はずッとマッチにこだわりすぎて、彼自身にもバカらしいと思われた。礼子は返事にこまって、

「いろんな場合がありうるわ。あの年配のお嬢さんには、どんな突飛なことも、御自分だけの歴とした理由がありうるわ。あのバーでも、あの年配のお嬢さん女給がまとめて三人ぐらい揃うときがあると、バーのシキタリが狂っちゃって、お店全体が狂うんです。それが理窟は合ってるんですよ」

「一回に二ツのマッチですと、一つも使わなかったものとして、十二三回、遊びに行かれたわけですね」

礼子はかるくうなずいただけで答えなかった。そして、考えこんでいたが、

「私、どちらかと云えば、青木に同情していたのです。ですが、失踪なさッたときいて、記代子さんがお気の毒ですわ」

「奥さんは、記代子さんの失踪を御存知のようでしたね」

「青木にきいたのです」

さッきから放二はそこにこだわっていたが、礼子の答えは簡潔だった。

「北川さんは、このこと、どう思いますか。記代子さんは、十日間ほど、毎日欠かさずウチのバーへいらしたことがあるんです。失踪は金曜日だそうですね。