Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Leggi 街はふるさと (まちはふるさと) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 193.435 caratteri · 389 schermate

Aozora Bunko

「フン。どこの池にでも石を投げてくる人だよ。ルミ子さんの池にも石を投げてきたんだってね」

「君は素人の山登りなんだな。天候を見て、下山することを忘れているんだ。アッサリ遭難しちゃア、つまらない話だな」

「往生際はわるいらしいがね」

青木は帽子をつかんで立ち上った。

「可愛い、虫も殺さぬ面相をしてさ。食えないねえ、ちかごろの子供は。あの北川少年のことさ。梶せつ子が帰京してるなんて、鵜の毛ほども覗かせやしねえや。お仕込みがよろしいからな」

苦笑して、ふりむいて、

「じゃア、失敬。今日は退散するが、又、会うぜ。往生際がわるいんだから。京都で、門前払いは罪でしょう。ねえ、長平さん」

長平は答えなかった。青木が靴をはき終るころ、

「梶せつ子に会っても、ムダだな」

「え? なぜ?」

「ふ。そうかい。是が非でもかい」

長平はにわかに肚をきめたらしく、

「よろしい。梶せつ子に会えるようにしてあげよう」

「え? なんだって?」

長平は委細かまわず居室へもどって、名刺に書いた。

――名刺持参の者に御引見の栄をたまわりたし。梶せつ子様。

「利くか、どうか。関所のニセ手形だよ」

と、青木に渡した。