Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さいごうたかもり

西郷隆盛

芥川 竜之介

Leggi 西郷隆盛 (さいごうたかもり) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.892 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

君も第一に先、そこへ気をつけた方が好いでしょう。」

本間さんは向うの態度や口ぶりから推して、どうもこの忠告も感謝して然る可きものか、どうか判然しないような気がしたから、白葡萄酒を嘗め嘗め、「ええ」とか何とか、至極曖昧な返事をした。が、老紳士は少しも、こっちの返事などには、注意しない。折からウェエタアが持って来たウイスキイで、ちょいと喉を沾すと、ポケットから瀬戸物のパイプを出して、それへ煙草をつめながら、

「もっとも気をつけても、あぶないかも知れない。こう申すと失礼のようだが、それほどあの戦争の史料には、怪しいものが、多いのですね。」

「そうでしょうか。」

老紳士は黙って頷きながら、燐寸をすってパイプに火をつけた。西洋人じみた顔が、下から赤い火に照らされると、濃い煙が疎な鬚をかすめて、埃及の匂をぷんとさせる。本間さんはそれを見ると何故か急にこの老紳士が、小面憎く感じ出した。酔っているのは勿論、承知している。が、いい加減な駄法螺を聞かせられて、それで黙って恐れ入っては、制服の金釦に対しても、面目が立たない。

「しかし私には、それほど特に警戒する必要があるとは思われませんが――あなたはどう云う理由で、そうお考えなのですか。