Classici giapponesi con furigana
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ふくめんのぶとうしゃ
覆面の舞踏者
江戸川 乱歩
Leggi 覆面の舞踏者 (ふくめんのぶとうしゃ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.827 caratteri · 30 schermate
目が闇になれるに従って、高い天井の広間の中を、暗いため一層数多く見える、沢山の人の頭が蠢いているのが、おぼろげに見えます。それが、広間のところどころに、巨人のように屹立した、数本の太い円柱をめぐって、チラチラと入乱れている有様は、地獄の饗宴とでも形容したいような、世にも奇怪な感じのものでありました。
私は、この不思議な情景の中で、どことなく見覚えのある、しかしそれが誰であるかは、どうしても思出せない一人の婦人と、手を執り合って踊っているのです。そして、それが夢でも幻でもないのです。私の心臓は、恐怖とも歓喜ともつかぬ一種異様の感じを以て烈しく躍るのでありました。
私は相手の婦人に対して、どんな態度を示すべきかに迷いました。若しそれが売女のたぐいであるなれば、どのような不作法も許されるでありましょう。が、まさかそうした種類の婦人とも見えません。では、それを生業にしている踊女のたぐいででもありましょうか。いやいや、そんなものにしては、彼女はあまりにしとやかで、且つ舞踏の作法さえ不案内のように見えるではありませんか。それなら、彼女は堅気の娘或はどこかの細君ででもありましょうか。