Classici giapponesi con furigana
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きく
親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選
山川 方夫
Leggi 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) di 山川 方夫 (やまかわまさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 67.486 caratteri · 144 schermate
ジャンの新盆
雲のなかで、ジャンはいらいらしながら待ちつづけた。なぜぼくの資格審査だけに手間どるのか。さっきまで雲のあいだにウヨウヨと見え隠れしていた黄色い顔の連中は、いまは一人も見えない。ニイボンだとかいって、みんなどこかへ姿を消してしまったのだ。ところがジャンにだけはまだなんの音沙汰もない。いったい、これはどうしたことなのだろう。ぼくがフランス人だからか。それとも、ぼくの死が自殺だからなのか?
いずれにせよ、死を越えてきたことは同じであり、ここが仏教徒のいう彼岸なのは間違いない。なら、ここにいるぼくに、なぜその彼岸のルールが適用されないのか。おかしな話じゃないか。ふん。バカにしている。
彼は、カトリシスムの国に生れたのだったが、そこではとうに神は死んでしまっていた。青年である彼の悩みは、だから、自分という「個」の行方であり、その支えのなさ、その「個」と人間ぜんたいとの関係はどこにあるのか、というごく深刻な疑問だった。ある日サン=ジェルマン・デ・プレのカフェで、彼はスミエを描く日本人に「無」の思想を教えられた。つまり、神はなく、無が全であり、同時に個は無である、というのだ。