Classici giapponesi con furigana
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したしくけんぶんしたアイヌのせいかつ
親しく見聞したアイヌの生活
宮本 百合子
Leggi 親しく見聞したアイヌの生活 (したしくけんぶんしたアイヌのせいかつ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2736 caratteri · 6 schermate
居間は以前は地べたに敷物を敷いたばかりでしたが、此頃では大抵の家で低い床を張っているようであります。私は或る日、アイヌの旧家に行ってみましたが、三尺の入口に菰が垂れていて、その菰を押して入ると奥は真暗で、そこにまた真黒な犬がいました。そして地面には蓙が敷いてありますがお客があると取って置きの蓙を出してすすめます。お客用のだからと云っても、矢張り黒く煤けていました。
それでも窓は東と南に開けてありまして、何処の家でも、東の窓は神聖な場所として、此処にイナオと云う内地の御幣に当るものが立ててあります。イナオは木で作った先きの方をじゃがじゃがさせた一種の木幣で、家の守護神様、穀物の神様、水や火の神様にこのイナオを捧げるのであります。
さすがに寒い所だけあって、神様の中でも炉の神様を最も大切にいたしますが、この神様はお婆さんでフッチと名づけています。そしてフッチの表象にしたものが、実に面白いのでございます。それは柳の木を一尺五寸位に切って、上の方に切口をつけて神様の口にかたどり、炉の焼けくずを結えつけてフッチの心臓としてあります。こんな風に口や心臓を持っている神様は炉の神ばかりで、他の神様をまつるには、只イナオを立てるばかりのようでございます。