Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Leggi 親鳥子鳥 (おやどりことり) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.828 caratteri · 181 schermate

Aozora Bunko

「真正ですか?」

「真正ですよ」

「真正ですけれど、芳夫さんのように来る度に勤め先の変る人は駄目ですわ。私、あなたの顔を見ると、又何うかしたんじゃなかろうかと思いますよ」

「実はそのことで御相談に上ったんです」

「厭やですよ厭やですよ」

「兎に角背水の陣を張る積りで、もう辞表を出してしまったから仕方ありません」

「それじゃ相談でも何でもないじゃありませんか」

「何処か当てがあるんですか?」

とお父さんも余り頻繁なのに少し驚いたようだった。三越が三月、今度の銀行が半年になる。

「教育界へ入ろうと思っています。実は学校を卒業する時、研究生として残らないかと或教授が勧めてくれたんですが、僕よりもっと成績の好い人が大勢ありましたから、遠慮していました。ところが、この間その教授に会ったら、来るなら都合をつけてやると仰有るんです」

「それは宜いね。そうしてそれが定ったんですか?」

「未だです」

「定ってから辞表を出しても晩くはありませんのにね」

と実業界の大好きなお母さんは惜しがった。

「しかし見す見す余所へ逃げる積りで勤めているのは気が咎めますからね」

「お父さんやお母さんに御相談なすったの?」