Classici giapponesi con furigana
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しょっかくのせかい
触覚の世界
高村 光太郎
Leggi 触覚の世界 (しょっかくのせかい) di 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4161 caratteri · 9 schermate
彫刻家はそういうものを一先ず取り去る。奪い得るものは最後のものまでも奪い取る。そのあとに残るものをつかもうとする。其処まで突きとめないうちは、君を君だと思わないのである。
人間の最後に残るもの、どうしても取り去る事の出来ないもの、外側からは手のつけられないもの、当人自身でも左右し得ぬもの、中から育つより外仕方の無いもの、従って縦横無礙なもの、何にも無くして実存するもの、この名状し難い人間の裸を彫刻家は観破したがるのである。だが裸は埋没され叮嚀に匿されているのが常である。善いにせよ、悪いにせよ、それが事実である。いくら理想家でも、人間に即刻裸で歩けとは言えないであろう。実に人世とは裸を埋没させる道場かと見えるばかりだ。しかし、着物が多くても少くても実際は構わない程、結局するところ、人はのがれられないものである。価値を絶したところに、其の人の真の姿があらわれて来る。彫刻家は此の無価値に触れたがる。なるほど人生には敵味方がある。又其の故に社会は進展する。けれども彫刻家の触覚はもっとその奥の処にごッつりしたものを探ろうとする。だから彼の見方は大抵の場合此の現世に逆行する。