Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちゅうもんちょう

註文帳

泉 鏡花

Leggi 註文帳 (ちゅうもんちょう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.770 caratteri · 67 schermate

Aozora Bunko

」

「されば、」

「その代り返す手で、我が咽喉を刎ね切った遊女の姿の見事さ!

口惜しい、口惜しい、可愛いこの人の顔を余所の婦人に見せるのは口惜しい! との、唇を噛んだまま、それなりけり。

全く鏡を見なすった時に、はッと我に返って、もう悪所には来まいという、吃とした心になったのじゃげな。

容子で悟った遊女も目が高かった。男は煩悩の雲晴れて、はじめて拝む真如の月かい。生命の親なり智識なり、とそのまま頂かしった、鏡がそれじゃ。はて総つき錦の袋入はその筈じゃて、お家に取っては、宝じゃものを。

念を入れて仕上げてくれ、近々にその後室様が、実の児よりも可愛がっておいでなさる、甥御が一方。悪い茶も飲まずに、さる立派な学校を卒業なされた。そのお祝に、御教訓をかねてお遣物になさるつもり、まずまあ早くいってみりゃ、油断が起って女狂、つまり悪所入などをしなさらぬようにというのじゃ。

作平頼む、と差配さんが置いて行かれた。畏り奉るで、昨日それが出来て、差配さんまで差出すと、直に麹町のお邸とやらへ行かしった。

点火頃に帰って来て、作、喜べと大枚三両。これはこれはと心から辞退をしたけれども、いや先方様でも大喜び、実は鏡についてその話のあったのは、御維新になって八年、霜月の十九日じゃ。