Classici giapponesi con furigana
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ちかいのまき
誓之巻
泉 鏡花
Leggi 誓之巻 (ちかいのまき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7856 caratteri · 16 schermate
」
ミリヤアドは莞爾として、
「どうですか。ほほほ。」
「あら、片贔屓を遊ばしてからに。」
と高津はわざとらしく怨じ顔なり。
「何だってそう僕をいじめるんだ。あの時だって散々酷いめにあわせたじゃないか。乱暴なものを食べさせるんだもの、綿の餡なんか食べさせられたのだから、それで煩うんだ。」
「おやおや飛んだ処でね、だってもう三月も過ぎましたじゃありませんか。疾くにこなれてそうなものですね。」
「何、綿が消化れるもんか。」
ミリヤアド傍より、
「喧嘩してはいけません。また動悸を高くします。」
「ほんとに串戯は止して新さん、きづかうほどのことはないのでしょうね。」
「いいえ、わけやないんだそうだけれど、転地しなけりゃ不可ッていうんです。何、症が知れてるの。転地さえすりゃ何でもないって。」
「そんならようござんすけれど、そして何時の汽車だッけね。」
「え、もうそろそろ。」
と予は椅子を除けてぞ立ちたる。
「ミリヤアド。」
ミリヤアドは頷きぬ。
「高津さん。」
「はい、じゃ、まあいっていらっしゃいまし、もうねえ、こんなにおなんなすったんですから、ミリヤアドのことはおきづかいなさらないで、大丈夫でござんすから。