Classici giapponesi con furigana
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だれもしらぬ
誰も知らぬ
Leggi 誰も知らぬ (だれもしらぬ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7123 caratteri · 14 schermate
けれども、私の面白いと思った本は、芹川さんは余り、いいとはおっしゃらず、芹川さんのいいとおっしゃる本は、私には、意味がよくわかりませんでした。私は鴎外の歴史小説が好きでしたけれど、芹川さんは、私を古くさいと言って笑って、鴎外よりは有島武郎のほうが、ずっと深刻だと私に教えて、そのおかたの本を、二三冊持って来て下さいましたけれど、私が読んでも、ちっともわかりませんでした。いま読むと、またちがった感じを受けるかも知れませんけれども、どうもあの有島というかたのは、どうでもいいような、議論ばかり多くて、私には面白くございませんでした。私は、きっと俗人なのでございましょう。そのころの新進作家には、武者小路とか、志賀とか、それから谷崎潤一郎、菊池寛、芥川とか、たくさんございましたが、私は、その中では志賀直哉と菊池寛の短篇小説が好きで、そのことでもまた芹川さんに、思想が貧弱だとか何とか言われて笑われましたけれど、私には余り理窟の多い作品は、だめでございました。芹川さんは、おいでになる度毎に何か新刊の雑誌やら、小説集やらを持って来られて、いろいろと私に小説の筋書や、また作家たちの噂話を聞かせて下さるのですが、どうも余り熱中しているので、可笑しいと思って居りましたところが、或る日とうとう芹川さんは、その熱中の原因らしいもの