Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まずしきひとびとのむれ

貧しき人々の群

宮本 百合子

Leggi 貧しき人々の群 (まずしきひとびとのむれ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 59.959 caratteri · 118 schermate

Aozora Bunko

と、気違いのような声で叫んだ。

急に周囲はどよめいて、沢山の頭が肩越しに一つの顔を覘き込んだ。

「や! 新さんだぞ! 新さんだぞ、こりゃあ!」

「どれ? ちょっとどいて見ね。や! ほーんによ! こりゃあ一体あーんとしたこった!」

「あげえな親孝行息子をとうとうあの鬼婆奴が、こげえな情ねえざまにしくさった! さっさとくたばれっちゃ、ごうつくばり奴!」

皆は、単純な心で死ということを恐れているところに、あんなに人の好いおふくろ思いの新さんが、昨日まで口も利いていたのが僅かの間にもうこんな情ない様子になっているのを見ると、もうもうすっかり気落ちがしてただ無茶苦茶におふくろが憎らしい。口々に、まだ血気の新さんがどんなにおふくろに酷(いじ)められながらも親思いだったかということを賞め立てた。

「告発したら何という罪名になるでがしょうな? 殴打致死(おうだちし)でもあんめえし……」

集った中での口利きが、得意らしく云ったけれども、まだ年若な無経験らしい巡査は、まごつきながら、かすれた声で早く家の者を呼べとせきたててばかりいて、そんなことには耳もかさない。

一人の男は早速、大きな蓑をガサガサガサガサいわせながら耕地を越えて、水車屋の方へ馳けつけた。