Classici giapponesi con furigana
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ひんをしるす
貧を記す
堺 利彦
Leggi 貧を記す (ひんをしるす) di 堺 利彦 (さかいとしひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 1848 caratteri · 4 schermate
月曜付録に文を投ぜんの約あり。期に至りて文を得ず、しかれども約は果たさざるべからず。すなわちわが日記をくり返して材を求む。材なし。やむことをえずしてここにわが貧を記す。もとより日記の文をそのままに摘録せるなり。我と共に貧なる者は世に貧同人のあることを知れ。富貴なる者は単にわがごとき貧者のこの世に存在することを知れ。
新居
三月二六日、有楽町の家を借りてそうじしつ。
二八日、垂柳子住み込みぬ。垂柳子のいとこ某を雇い来たって小使いなど頼めり。主人たる我はここにおるがごとくおらざるがごとし。○○町の宿の払いのできぬゆえ荷物も取寄せられぬなり。
垂柳子と某と我と、そば、すし、いなりずし、大福もちなど食らいて日を送る。
湯川が受け合いたりし金トントできず。原稿もできず。
障子も立てたらぬ家の中にあれば、環睹蕭条、悲惨なるがごとくまたこっけいなるがごとし。
引ッ越してより五、六日、いまだ飯をたくことあたわず。家主に敷金をやらず、先の宿にまかない料を払わず。こんどの引ッ越しすべて背水の陣なり。
四月一日、はなはだ窮せり、家主迫り先の宿迫る。徹夜して一文を草す。