Classici giapponesi con furigana
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あかいステッキ
赤いステッキ
壺井 栄
Leggi 赤いステッキ (あかいステッキ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.482 caratteri · 23 schermate
「こんどまたえいべべを黙って出して着て破ったりしたら、お母さんがどうするんじゃ?」
すると克子が首をふるわせて大きく泣きじゃくりをし、
「お母、さん、が、縫うて、くれ、る」
と答えた。納屋へしめこまれると思わせようとしたお母さんは、今までの腹立ちがきゅうに萎えてしまい、
「ああ、ああ、克にゃもう負けたあ」
笑いださずにはいられなかった。そんなふうに、少しのひがみなく母親を信じきっている克子のために、自分こそこれからさき何べんも破るであろう克子の洋服を縫ってやらねばと思った。そう考えるとともに、これから先々の克子の歩む道のけわしさを、どうでもこうでも切り開いてやらねばならないことのかずかずが、お父さんをも健をもふくめての親子暮しの将来に、雲のようにむらがってくる思いがした。
桜と梅のいさかいも、けっきょくはその雲の一つであろう。そうして、わあわあ泣きさわいだ健よりも歯をくいしばっている克子の方が、顔に爪あとの血をにじませている。お母さんはそれに薬をつけてやりながら、この争いは梅が散らなきゃおさまるまいとおかしくも思うのであった。
「なあ克、克は健ちゃんと喧嘩ごろするせに、高田いつれていけませんいうてお父さんに手紙出してもえいな」